江戸切子・模様の種類と意味
町民文化の中で生まれた江戸切子は、その美しい技法をもとに、様々な工芸品を生み出していきました。江戸切子の特長としてはやっぱりデザイン、その美しさによって江戸切子を好んで使用する人が多いです。
江戸切子と言えば、独特の模様が施されているものがほとんどです。その模様の種類はどのくらいあって、それぞれの模様の意味は何なのか、気になったことはありませんか。詳しく見ていきましょう。
江戸切子の模様の作り方
江戸切子の模様をつくるには、まず割出しという工程でガラスの表面にカットのもとになる線や点を描きます。その次に荒摺りで模様を大まかに削り出し、中摺りで細かい模様を削り出します。その後、削り出した粗い面を滑らかにする石掛を行い、不透明な面をさらに細かく磨き上げれば完成です。
江戸切子の模様の作り方は基本この5段階によって行います。最後の磨きでは、木盤と磨き粉を使う木盤磨きと、酸を使うくすり磨きという方法があります。
江戸切子の模様の種類
江戸切子には様々な模様があり、その模様と色合いにより美しいデザインになります。
江戸切子の模様の種類は大きく8種類以上あります。
その模様の種類としては、
・魚子(ななこ)
・六角籠目
・八角籠目
・菊繋ぎ
・菊花
・麻の葉
・矢来
・七宝
・亀甲
などがあります。
江戸切子の模様の特長と意味
江戸切子の模様には様々なものがあります。まず魚子という模様は、斜めの線がたくさん入っていて、細かな四角が並んでいるのが特長です。切子の細かな光の反射が、魚の卵のように連なって見えることから、魚子と呼ばれるようになったのです。
植物をモチーフにした模様もあります。菊つなぎという模様は、細かな交差の連続が菊の花がたくさんあるように見えることから、菊つなぎと呼ばれるようになりました。また、麻の葉という模様は、切子の交差が麻の葉のようになることからそう呼ばれるようになりました。
七宝という模様は、両端のとがった長楕円形をつないだ模様で、
七宝つなぎという伝統文様から来ています。