当サイトで扱っている日本の伝統工芸品である江戸切子のカットグラス。
その製品がどのような工程を経て一つの作品となるのかを、江戸切子協同組合様よりご提供頂きました資料画像と共に見ていきたいと思います。
今回はその第一弾として工程『割り出し』です。
工程その1 割り出し
素材である色被せガラス(表面に色の付いたガラス。ここでは瑠璃色のもの。中側にある透明なガラスと層になっています。)を回転台にのせます。
そこでカットの目安・目印となる基本線を、デザインや図案設計書を元にガラスの表面にマジックペンなどで縦横線を太めにマーキングしていきます。
ここではあくまで基本線なので、割り出し作業では細かいカットの線は描きません。
また、この基本線を描く時点で、既に職人ひとりひとりの個性が出てくると言われています。
墨付けともいわれるこの作業、現代ではマジックペンなど便利なものがあるのですが、そんなものが無かった昔は、その名の通り墨を竹棒や筆で線を描いていたとのこと。
水性ペンでガラスに何か書こうとするとなかなか色が乗らず大変ですが、想像すると墨をガラスにのせる事はそれよりもはるかに難しそうに思います。
画像提供:江戸切子協同組合様