江戸切子の作り方・制作工程について
あの美しい紋様の江戸切子、いったいどうやって作られているのか気になりますよね。
今回は江戸切子の製作工程を詳しく見ていきましょう。
色被せガラスをつくる
色のついた江戸切子の場合、その素材は色被せガラスです。
江戸切子は昔、透明なガラスに彫るのが主流でしたが、今は色のついたものが多いですね。
簡単に言うと、色被せ(外被せ)ガラスは外側に色のついたガラスの層があり、内側に透明なガラスの層がある状態です。
ここでは量産に向いている型吹について述べます。
専用の金型に、外側の層になる色つきガラスを吹き竿に巻き取り、軽く膨らませてから型の中で一気に膨らませ、型から余分な部分を切り取ります。
そのあと、透明なガラスを吹き竿に巻き取り、すでに色のついたガラスの入った型の中で同じように膨らませることで色被せガラスを作ります。
江戸切子では色ガラスの層が非常に薄いのが特徴なので、そのようになるようにガラスの量を調整して製作します。
割り付け
彫るための基準となる線をガラスに書いていきます。
模様をすべて描くわけではなく、格子状の基準線だけ書きます。
カット
カットの工程は粗摺り→三番→石掛けの順に行います。
まず、粗摺りで大きな模様を削ります。回転する円盤状のダイヤモンド歯に当てることで削っていきます。
大きな模様ができたら、次は三番の工程です。
細かい歯を用いて細かな模様を削っていきます。
最後に石掛けでは回転する砥石を用いて表面を滑らかに仕上げます。
磨き
磨きの種類には、
・薬品を使う方法
・手作業で磨く方法
の大きく2種類があります。
薬品を使う方法は、高品質なクリスタルガラスにのみ使える方法です。
手作業で磨く方法は、昔ながらの製法で、ソーダガラスの場合はこちらを施すことになります。もちろん、クリスタルでもこだわりを持ってこちらの方法を取る場合もあります。
まず木製のホイールに磨き粉を付けて丁寧に磨いていきます。細かい部分ではブラシを使うこともあります。
その後さらに布のホイールで美しく輝くように仕上げます。
このように機械化が進む現代でも、江戸切子の大半の作業は手作業で行われています。
作品を見るときにはそんな職人たちに心を寄せてみると、さらに味わい深く感じられそうですね。